SとMは家が隣で、幼稚園からの付き合い。周りからは「仲が良いね」と言われ、本人たちもそれが当たり前だと思っていた、そんな日々。
けれど、いつしか二人の間には見えない溝が生まれていた。
Mが他の男子(H)と親しくする姿を目にするようになったS。募る不安とは裏腹に、Mが見せる不可解な態度。近づいたかと思えば、突き放されるような距離感。親しかったはずなのに、気づけば遠い存在になっている。
Sは戸惑い、悩み、そして決意する。
一方、Mもまた、Sに対して素直になれない何かを抱えているようだった。その笑顔の裏には、どんな想いが隠されているのか?
これは、誰もが経験するかもしれない、「準幼馴染」という歪で特別な関係性が生んだ、甘くて、少し苦い記憶の物語。