きっかけはひとつの詩
あの歌みたいに空のミルクグラスにたんぽぽを挿す
窓からは薄紅色の吐き出されたファンファーレ
私はそれを最後に残したいちごにそっと
塗ってしばらくながめた
「どうしてこうなったんだろう」
不意につぶやいてしまった
息をしている
ルシカ私は息をしているよ
息をしている
ただ無駄に無駄に息をしているよ
ルシカ
ねぇルシカ
きみの息がすいたい
私のこの瞳は
人を天国へ連れていくような碧で
ルシカきみの瞳は
あの日みた夜空よりもまっくろだ
部屋のはしっこに空のボストンバッグ
ずっと前はあんなにぎゅうぎゅうに
つめるのがたのしかったのにな
息をしている
私はルシカ 生きるためだけに
息をしているよ
ルシカ それだけなんだ
ただそれだけなんだ
だからきみのはいた息がこいしい
「ルシカはなんにでもなる」
ルシカ オリジナル
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