作品一覧全6件
短編
ある日突然、背中に走る激痛。 それはただの虫刺されかと思っていたが、医師の口から告げられたのは―― 「あなたの中に、粉瘤(ふんりゅう)がいます」 名付けて「糞龍(フンリュウ)」。 かっこいい響きとは裏腹に、正体は膿と角質の塊。 日増しに大きくなるその“龍”との静かな戦いが始まる。 人生初の手術、麻酔への不安、背中を切られる生々しい感触。 そして医者の無神経な実況…心は泣きながらも顔は平静。 だが本当の戦いは、術後に告げられた「2週間禁酒」だった。 果たして主人公は、“龍”だけでなく、自分自身とも戦い抜けるのか。 笑って震える、ちょっとグロくて、かなりリアルな「背中の冒険譚」。
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その他[その他] 残酷な描写あり
最終更新日:2025年05月02日
粉瘤 病院 手術 読了時間:約2分(883文字)
短編
あらすじ 春の日、公園で鳩の求愛ダンスを眺めていた「俺」は、ある奇妙な出来事を思い出す。 かつて愛知県岡崎市に住んでいた頃、ナンパをして家に連れ帰った女性がいた。軽いキスを交わし、連絡先を交換したものの、特に深く関わる気はなく放置していた。しかし、三日後に彼女から届いた一通のメッセージが、俺の平穏を崩す。 「妊娠しました。あなたの子です。」 当然、そんなはずはない。だが彼女は「親が医者だから検査で分かった」と主張し、中絶費用を要求してきた。俺は「親と話させろ」と応じ、約一ヶ月間、メールのやりとりが続くが、やがて彼女からの連絡は途絶えた。 ——あれは一体、何だったのか? 公園の鳩が、まるで過去の俺を見ているかのように求愛を続けるのを見つめながら、俺はただ、その不可解な記憶に思いを馳せるのだった。
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2025年03月21日
恋愛 ナンパ 夜の街 読了時間:約2分(753文字)
短編
夜の仕事をしていた「俺」は、飲み屋で一人の女性と出会う。彼女は毒親に育てられ、心に深い傷を抱えながら生きていた。リストカットやODを繰り返し、その写真を俺に送りつける彼女に、何度も別れを告げようとしたが、そのたびに泣いてすがられた。 しかし、六度目の別れ話の後、彼女からの連絡が突然途絶える。心配になって彼女の家を訪れると、部屋の鍵は開いており、奥には彼女が首を吊っている姿があった。冷たくなった彼女の手に触れた瞬間、初めて「人が死ぬ」という現実を知る。 彼女を救えなかった罪悪感に苛まれた俺は、やがてカウンセラーの道を歩むことを決意する。彼女のように、生と死の狭間で苦しむ人々の手を、今度こそ冷たくなる前に掴むために——。
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その他[その他] 残酷な描写あり
最終更新日:2025年02月16日
シリアス ダーク 男主人公 平成 近代 現代 ホスト メンヘラ リストカット OD 鬱 読了時間:約3分(1,189文字)
短編
佐藤りょう(32歳)は、営業職として働く普通の会社員だった。仕事はハードだったが、嫌いではなかった。 しかし、新しく配属された田嶋課長との出会いが、すべてを変えた。 最初は注意から始まったが、やがて暴言へと変わり、ついには殴る蹴るの暴力が日常になった。「罰金」と称して給料を搾取され、理不尽な要求に耐え続ける日々。 そんな異常な状況を、同僚たちも見逃さなかった。 「これは犯罪だ」「証拠を集めたほうがいい」 その言葉をきっかけに、りょうはスマホで録音を始める。 そしてある日、コンプライアンス部署へすべての証拠を提出。田嶋は解雇された。 だが、それで終わりではなかった。 暴力、恐喝、強要——すべての証拠が揃い、田嶋は警察に逮捕される。 ニュースでは連日報道され、会社は謝罪会見を開いた。 家族も仕事も財産もすべてを失い、手錠をかけられた田嶋。 かつて威張り散らしていた男の末路を、りょうは静かに見届ける。 「パワハラは犯罪だ。遅かれ早かれ、裁かれる運命にある。」 りょうは新しい職場で、まっとうに働いている。 もう二度と、あの地獄には戻らない。
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その他[その他]
最終更新日:2025年02月14日
シリアス ダーク 男主人公 平成 職業もの 日常 パワハラ 上司 スッキリ 犯罪 読了時間:約2分(883文字)
連載 1エピソード
冬の大阪、冷たい風が吹く夜。仕事帰りの俺は、疲れ果てた心を抱え、公園のベンチに座る。手には暖かい缶コーヒー。しかし、心は冷え切っていた。 会社ではパワハラ上司に罵倒され、限界寸前だった。そんな時、不意に「元気ないね」と声をかけられる。振り向くと、そこには見知らぬ綺麗な女性がいた。彼女は自販機で買ったばかりの缶コーヒーを差し出し、静かに話を聞いてくれた。 胸の内をすべて吐き出した俺は、気づけば泣いていた。彼女は優しく微笑み、「たまには休んでもいいんじゃない?」とだけ言い、公園を去っていった。 それ以来、彼女に会うことはなかった。名前も、連絡先も知らないまま。だが、今でも公園で缶コーヒーを飲むたびに、あの夜の温もりを思い出す。 彼女は今、どこで何をしているのだろうか——。
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2025年02月13日
ほのぼの 男主人公 悲恋 恋愛 昔の話 思い出 読了時間:約2分(827文字)
短編
仕事帰りに立ち寄った喫茶店で、Ryoは「メロンソーダ」を見つける。ひと口飲むと、甘く弾ける炭酸とともに、過去の記憶が蘇る——中学生の頃、初めての彼女・ちあきが奢ってくれた特別な飲み物だった。 放課後の喫茶店、ちあきの優しい笑顔、「大人になってもメロンソーダ、好きでいてね」という言葉。そして、引っ越しの日、バスのホームでの別れ。 時を経た今、Ryoは静かに呟く。「美咲、俺、今でもメロンソーダ、好きだよ。」 窓の外の灯りが、彼の胸に残る約束を優しく照らしていた。
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2025年02月12日
メロンソーダ 恋愛 思い出 読了時間:約1分(350文字)