内戦下のシリア・アレッポで空爆により両親を失った17歳のハサンと9歳の妹アミラ。
生き残るため、二人は危険な「ゲーム」と呼ばれる密航ルートでヨーロッパを目指す旅に出る。
シリアからトルコへの国境越えから始まり、地雷原や国境警備隊の目を逃れながら命がけの旅を続ける二人。
イスタンブールでは「運び屋」と呼ばれる密航業者の手を借り、エーゲ海を渡ってギリシャへ。そこから「バルカンルート」と呼ばれる陸路(マケドニア、セルビア、ハンガリー)を北上し、最終目的地のドイツを目指す。
道中、様々な難民たちと出会い、助け合い、時に裏切られながらも前に進む。
それぞれの事情を抱えた仲間たちとの絆が彼らを支える。
数々の困難と「ゲーム」の失敗を乗り越え、ついにドイツにたどり着いた一行。
これは単なる移動の物語ではなく、人間の尊厳、希望、そして新しい始まりを求める魂の旅の記録である。