「さっさと、幽閉しろ」
異世界に聖女として召喚されたはずの綾月真璃那は、ハイン・フェルディナンド——フェルディナンド王国の国王——の命により捕えられた。
理由は、ただ1つ。彼女の黒髪黒瞳の容姿が、かつて世界を滅ぼそうとした『翠髪の魔姫(すいはつのまき)』と同じだったからだ。
真璃那は閉ざされた部屋で、絶望に苛まれる中、配膳役として部屋にやってきたアンナと知り合う。彼女は、真璃那を恐れることなく、ただの女の子として扱ってくれるのだった。
時を同じくして、ヴェルディス王国の王太子であるカイル・ヴェルディスは、召喚魔法に伴い発生した天と地を結ぶ大きな光の柱を瞳する。その時、カイルの中で眠っていた前世の記憶や感情が目醒め始める。
(今度こそ彼女を——)
それは、カイルの中に刻まれていた『翠髪の魔姫』への想いだった。
『翠髪の魔姫』の導きによって、真璃那とカイルは出会う。
2人の出会いが、この世界の理を覆す——。
HJ大賞6 ネトコン13 集英社小説大賞6 123大賞6 スピアノベルス大賞1 女主人公 魔法 BK小説大賞 GOマンガ原作者大賞 聖女 冷遇
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