男が目を覚ますとそこは駅だった。

デパートの屋上に男が二人。そして、長ぐつが一足。

彼女が僕のために作ってくれたグリーンスムージー。その材料には秘密があったーー

雨上がりの街で、コーンスープをすする。歩きながら肉まんを食べ、家では鍋を食べ、眠る前には一口チョコレートをかじる。特別なことの起こらない、なんて事のない一日。特別なものを食べているわけではないけれども、身体を暖めてくれる食べ物はとてもありがたくって、ありふれた出来事はどれもが大切で、まるでフルコースみたいだ。

VRなんて単語は今や死語。最近話題のワード、ARが、その後釜に座った。ARゲーム「アナザー・ワールド」は発売後、あらゆる歴代名作ゲームが作ってきた記録を塗り替え続け、世界中を巻き込んだ社会現象となっていた。

押入れから出てきた十数本のカセットテープには、亡くなった父親の残した音楽が録音されていた。

僕の彼女は髪がピンクで、それだけじゃなくチョット変わってる。

彼が初めて自殺をしたのは、ある雨の日の夜のことだった。

私は閉館間近の館内で一人の子どもを見つけ、声をかけた。

フィルムカメラを持って、僕は彼と江の島へ行く。