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連載 5エピソード
映画研究会――そこは、大学生活の終盤、まだ「別れ方」を知らない僕らが、何かを残そうともがいていた場所だった。 中務湊、大学3年。どこにでもいるような普通の学生で、決して主役タイプじゃない。 だけど、気づけば僕のまわりには、「面倒だけど目が離せない」4人の女性が集まっていた。 常にハイテンションで、笑顔が太陽みたいにまぶしい――日辻遥香。 理屈屋で、言葉がナイフのように冷たい――神戸真知子。 カメラを手放さず、蚊の鳴くような声で話す――朝永玉理。 そして、みんなの生活をそっと支える“お母さん”的存在――篠宮澪依。 本来なら交わることのなかった僕たちが、 一つの映画をきっかけに、ぶつかり、笑い合い、走り出した。 混乱して、言い争って、時には空回りもする。 それでも確かにあった――あたたかくて、リアルで、かけがえのない時間。 僕らがカメラの向こうに残したのは、 「まだ大人になりきれない僕たち」が、青春の最後のひとしずくを燃やした軌跡だった。 傑作じゃなくてもいい。 これは、僕たちだけの映画なんだ。 ――映画で、青春を織りなそう。
作品情報
現実世界[恋愛]
最終更新日:2025年07月19日
学園 現代 ハーレム 群像劇 青春 読了時間:約20分(9,798文字)