strayedと呼ばれる能力者が、ギアと呼ばれる出力機具をまとい戦争するSF。
三度目の戦争を経てより多くのものを失った人類は、それでも戦うことをやめなかった。
失われた技術は犠牲者を得ることで新たなベクトルを選択し、不足する資源は戦争を小型化かつ拡散させる、そして情報と共に引き裂かれた境は国と企業の間を漂っていた。
ストレイドを踏み外した者と取るか、踏み出した者と取るかは、激減した人口と変わり続ける環境の中で今まさに議論の最中にあったが、企業の尖兵として戦場に立つ軍人達にとっては、彼らは脅威以外の何者でもなかった。
旧カイロ戦場での戦闘衝突は、当初情勢に大きな影響を与えるなど誰も思わなかった。
しかし、分断されたネットを異常な速度で駆け巡るその他愛もない戦闘報告に、いくつかの同業者達がある疑問を抱くも、彼らはそれを口にする間もなく姿を消した。
色なき戦争に、うっすらと影が差しつつあった。
SF 戦闘 戦争 軍隊 特殊能力者 なろうコン応募作品
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