道理も信念も通らぬ時代。
血で借金を払う者。
銭のために信仰を捨てる者。
魔法に魂を売った者が、
路地裏で今日も、静かに死んでいく。
獣人の弟と、自称“異世界から来た文明人”の兄。
彼らはこの歪んだ時代を、ただ生き抜こうとした。
エルフもいる。ドワーフもいる。
蛇のような種族もいれば、神に仕えるシスターもいる。
魔法は存在し、剣を持つ者が正義を語る──
というのは、表向き。
金にがめついエルフ、
毒に溺れた蛇、
神を語る人間の狂信者、
鋼の掟に縛られたドワーフたち。
これは、嘘と血にまみれた異世界の裏通りで──
“仁義”すら通らぬ裏社会の連中が刻んだ、
よくある暴力と、裏切りの異世界ファンタジー。