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代表作 連載 7エピソード
あらすじ ユルダン女学園の高校生6人がゼミ合宿で、鎌ヶ谷の梨畑に囲まれた古い宿を訪れる。 主人公の福沢裕美は、その合宿をひそかに心待ちにしていた。 それは、1学年上の憧れの先輩小笠原まきえと、久しぶりに時間を共にできるからだった。 ——春の終わり、桜の舞う校庭で差し出された手。 「スールになりましょう」と囁いたまきえの声は、遠くの鐘のように澄んでいて。 その瞬間から裕美にとって、まきえは"光"となった。 誰にも気づかれなかった裕美の小さな痛みに、まきえだけが静かに目を留めてくれた。 スール——姉妹という絆の名のもとに、ふたりの世界は優しく重なっていた。 だが、合宿2日目の朝。 まきえが姿を消した。 鍵のかかった部屋、乱れたベッド、机の上には「ユミ、ごめんね」と震える文字で書かれたメモと、腐りかけた梨の実。 まきえは自らいなくなったとされ、合宿は打ち切られる。 だが裕美は納得できなかった。 あの人が私に「ごめん」と言うわけがない。伝えたい言葉は、きっと別にあったはずだ。 裕美は、クラスメイトの島津ちはるとともに、まきえの行方を追い始める。 梨畑に伝わる“実を結ばない木”の伝説、消えた地元の少女たちの記録、夜な夜な聞こえる「見たでしょ」という声。 夢の中、白猫とともに立っていたのは——まきえに、よく似た“誰か”。 そして裕美は気づく。 この梨畑は、ただの果樹園ではない。 ここには、誰かの記憶と、声と、悔いと、祈りが根を張っている。 そして“選ばれた者”が、迎えに来る。 スールの絆は、生と死の境を越えられるのか。 裕美はもう一度、あの日と同じように手を伸ばす。 その手が掴むのが、人のぬくもりか、それとも“別の何か”かも知らずに——。
作品情報
ホラー[文芸] ガールズラブ
最終更新日:2025年05月04日
BK小説大賞 HJ大賞6 ネトコン13 春チャレンジ2025 女主人公 学園 昭和 青春 タイムリープ スクールラブ ミステリー サスペンス マリみて風 百合 オタ活 読了時間:約15分(7,211文字)