30歳の西村海は大学の投資活動で20歳の佐々木蓮華と出会い、感情を抜きにした肉体関係を結ぶ。
佐々木蓮華は不治の病を患っており、西村海を最期の奔放な相手に選んだ。交際の中で西村海は次第に心を動かされるが、佐々木蓮華は常に距離を保ち続ける。
佐々木蓮華は予期せぬ妊娠をするが、身体の事情で出産が不可能なため、西村海の元を去る。再会した時、西村海は真相を知り、強引に中絶手術を受けさせようとする。
最後に佐々木蓮華は息を引き取り、両親を通じて西村海に感謝の言葉を伝える。
西村海はついに、この早逝する運命の少女を愛していたと認めるが、もはや記憶の中にしか彼女の面影を探せない。
物語は佐々木蓮華の視点で補完され、彼女が西村海を選んだ理由と内面の独白が描かれる。死に向かいつつある魂が生命に寄せる最後の未練が表現されている。