五代続く平穏な王国。
その裏では、瘴気に覆われた大地を、名もなき一族――ノクスの民が結界で守り続けていた。
しかし今、人々の信仰は偽りへと堕ち、教会は禁忌の“瘴気もどき”を作り出しては、偽りの奇跡を演出していた。
そんな中、ひとりの少女がひそかに育てられていた。
大聖女の骨と禁術から生まれた、白銀の髪と灰紫の瞳を持つ少女・セラ。
自分はただの捨て子だと信じていたセラの運命は、ひとつの“偽り”によって動き出す。
真実を祓うのは、神か、闇か――
これは、「終わりのはずだった存在」が“始まり”になるまでの物語。