友達なんていらない。人間関係なんて煩わしいだけ。
月瀬侑葉は、そのことを疑うことが出来なかった。
しかしある日、自らを情霊という、信証情霊友彩会、通称協会というところに所属している中澤梓月という少女がやってきた。
最初は受け入れることが出来なかった侑葉だが、次第にいつも支えてくれる梓月の存在をだんだんと受け入れることが出来るようになってきた。
そんなある日、信証情霊友彩会と似ている情霊の、勉強面を中心に生活習慣を整えることを専門としている機関に所属している羽月琴音という少女がやってきた。
そこである日3人で話していると、他にも問題を抱えている未霊や、生霊、情霊がたくさんいるのではないか、もしかしたら自分たちで何とかなるものもあるのではないか、と考え、そして3人で、協会の考え方でもある少しずつ悩みを解決して少しでも幸せを感じる人や、少しでも笑える人が増えていこうと動き始めた。
しかし、そんな時、協会内で、もう一つの協会という妙な噂が流れ始めた。
それは、協会内の人が抱えている負の側面であり、人を少しでも幸せに、少しでも楽しくという協会の考え方とは相容れない、少しでも人の幸せを奪っていこうとする考え方の、しかしもう一つの協会に所属している人からとっては、それは正しいことだと信じきっていることとして受け入れられていた。
未霊と生霊と情霊が繰り広げていく、小さな小さな友情物語。
※これは、ホラー小説ではありません。