2020年12月、半年ほど前に関西へ引っ越した藤原伊織は、光に包まれ消える女性の夢を繰り返し見る。母の実家で見つけた約1000年前の記録には、平安時代のご先祖が「光の柱」で2020年に飛ばされたとある。後に「かに星雲」となった超新星爆発との関連する可能性に胸躍る伊織は、先祖の足跡を辿る旅を決意。
約8ヶ月前の同年4月、九州の寳田尚彦は、落雷と共に現れた着物姿の女性・織姫を保護。彼女の記憶は曖昧で、着物はある条件下で浮遊する等の特異な性質を持つ。2か月ほど過ごした織姫は八坂神社に記憶の手がかりがあると話し、野田夫妻を含めた尚彦一行は京都へ向かう。同じ頃、伊織の家族も京都に越す。「過去と未来」、「超科学と魂の神秘」、「運命と偶然」が織りなす物語。