古典文学を愛する大学生・望月澪は、憧れだった出版社に内定するも、ある事件をきっかけにその道を絶たれてしまう。
現実に疲れ、逃げるように祖父母の家を訪れた澪は、亡き祖母が遺した、御伽草子の和綴本を携え近所の神社へ赴く。
すると不思議な声に「逃げたいか」と問われ、頷いた瞬間――眩い光に包まれ、気づけば見知らぬ世界にいた。
月のように静かなその場所で、彼女は『酒呑童子』の鬼を討伐したとされる登場人物たちと出会う。
やがて澪は知る。なぜ自分が呼ばれたのか。
過去と現在、現実と物語が交錯する中で、澪は“物語を紡ぐ者”となっていく――