作品一覧全2件
短編
 ドゥッテイは契約先のエッフィル家の家事を担う居候として生活していた。 彼は家事をする日々によって、住む場所や飲食料は何とか確保できていた。 ドゥッテイは家事生活を送る傍ら、マジカルインターネットワーク、通称インターネットと呼ばれる通信手段を活用して、文章で作成した物語を公開していた。  ある日、いつもと変わらないインターネット小説の結果が出ない生活を送っていると、エッフィル家に便箋が配達される。 その宛先は、エッフィル家の者に対してではなく、ドゥッテイへのものだった。 彼は便箋を自室で開封すると、中に、『慰安癒館』の無料利用券と目的地への地図、そして説明書きの紙が封入されていた。 ドゥッテイは怪しい便箋をゴミ箱に捨てようとするが、好奇心あるいは何か希望を見出し便箋の指示に従うことに決める。 後日、ドゥッテイは山々が続く街道に沿って移動し、無事に目的地に到着する。 緑に包まれた景色の中にある、『慰安癒館』と書かれた店の中に足を踏み入れていく。 店の受付に促されて奥に進んでいき、待合室で待っていると、一覧表を渡される。 どういう仕組みで何が起こるか分からない状況の中で、ドゥッテイは店員に、『ナデシコエノレフ』という聞きなれない種族の女性を推奨されるが、キャトの女性を選択した。 ドゥッテイがしばらく待機していると、準備が終わった知らせを受け、通路を進んでいくと、一覧表に描かれていた写し絵の女性が彼を歓迎した。 キャトの女性はアバロニカと名乗り、穏やかに店外に連れ出す。 店の外には更に緑が濃い景色が広がっていて、とても落ち着く雰囲気だった。 アバロニカはドゥッテイのインターネット小説の事情を聴くと、何かやる気に満ちた様子で、番号の書かれた小屋の中に彼を案内する。 ドゥッテイは小屋内の椅子に座ると、ソウゾウ魔法が使えるようになるペンダントを渡され、身に着けた。 彼女は一緒にチョッコバママを作ろうと説明すると、彼は言われた通り意識を集中させてバママを作成し、アバロニカはチョッコロネを作り出す。 ドゥッテイはどうしたらいいか分からず、彼女の言う通り、バママをチョッコロネの穴に入れる。 チョッコバママ作成を無事に終えると、二人は気持ちが晴れた表情を浮かべながら森の出口に向かう。 優しくアバロニカに見送られて、ドゥッテイは前向きな様子を見せるのだった。
作品情報
その他[その他] R15
最終更新日:2025年06月28日
ネトコン13 ギャグ シリアス ほのぼの 男主人公 人外 魔法 日常 ハッピーエンド 男性向け 読了時間:約22分(10,803文字)
短編
インターネットの小説投稿サイト、『ロートフルーフ』に自作の小説作品を投稿していた述瑠(のべる)は13年も活動を続けていた。 しかし、小説サイト内の投稿小説ランキングに掲載されず、サイト利用者からの閲覧数も二桁止まり、感想も貰ったこともなかった。 彼は、『地球警備員』としての仕事をこなしながら、空いた時間で小説の投稿を細々と続けていた。 そんな述瑠の元に、一通の宅配物が届く。 彼が届いた小袋を開けると、中にはリストバンドとお守り、そしてメッセージカードが入っていた。 メッセージカードには、リストバンドを身に着けると良いことが起こる、と書かれていた。 述瑠は宅配物に不信さを覚え、ゴミ箱に捨てようとするが、気休め程度に希望を見出し、リストバンドを手首に巻いてみることにする。 その後、『竜と英雄の社交ダンス』という新しい小説を書いていく。 後日、投稿された、『竜と英雄の社交ダンス』には感想が書き込まれていた。 しかし、ランキングに乗ることはなく、リストバンドの効果を実感できなかった述瑠は腕に巻いていたリストバンドを取り外そうとするが、もう少し藁にも縋る思いを抱きながら小説を執筆し続けた。 更に数日後、述瑠が小説サイトのランキングを眺めていると、低い順位に自分の小説のタイトルが乗っているのを発見する。 利用者の閲覧数は増え、高い評価値を貰えた述瑠はリストバンドの恩恵を感じ始めた。 その後日、小説の続きを書いていると、一人の女性が述瑠の家に訪問する。 彼女は、『楽花純恋(らくばなすみれ)』と名乗り、ロートフルールのランキング上位の作者で書籍化もしていた。 純恋は述瑠への好意と尊敬を伝え、彼の部屋に上がらせてほしいと懇願する。 述瑠は拒絶し続けるも、彼女の熱意に負けて家に招く。 純恋と仲良く会話を弾ませると、いつの間にか一夜を過ごす流れになるが、お互いそれを拒むことはしなかった。 翌朝、述瑠が恒例のロートフルールを眺めていると、自分の作品がランキング上位に上がっていることに驚く。 さらに、作品への感想もたくさん届いていて、困惑する。 また、彼に出版編集者から熱意ある書籍化のメールが届いており、述瑠は初めてのことに不安を覚えた。 しかし、起床した純恋がこれからの事を助けるから書籍化することを強く提案すると、述瑠は笑顔で答えるのだった。
作品情報
その他[その他] R15
最終更新日:2025年06月01日
BK小説大賞 ギャグ シリアス ほのぼの 男主人公 現代 日常 ハッピーエンド 読了時間:約22分(10,520文字)