表参道でピアノを奏でる青年・アイネと、どこか古風な雰囲気を纏う女性・マリー。初対面のはずなのに、なぜか胸がざわつく──彼らは知らなかった。自分たちがかつて、18世紀のウィーンで出会ったモーツァルトとマリー・アントワネットの魂を受け継ぐ存在であることを。
現代に転生したふたりは、やがて夢の中で繰り返し聞こえる謎の声に導かれてゆく。「マリーよ、ギロチンを止めろ」──それは、歴史の悲劇を癒そうとする魂の叫びだった。
マリーは菓子パンコンテストをきっかけに、かつて王妃として過ごした“プチ・トリアノン”の記憶を断片的に思い出し始める。一方、アイネの即興演奏は、魂の記憶を呼び覚ます“時の音”として、やがて歴史の扉を開く鍵となる。
だがその裏で、ロベスピエールの末裔・マキシム率いる秘密結社「平等の炎」が、革命をやり直すために“時の門”を狙っていた。愛による癒しか、理念による再革命か──。
「過去は変えられるのか?」「もし母としての後悔をやり直せるなら?」
やがてマリーは決意する。
ギロチンの記憶を越えて、愛する子どもたちを救うために。
そして、約束された愛を取り戻すために──。
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