借金を抱えた大学生・朝霞巡(あさかめぐる)は、雀荘での過ちをきっかけに、夜の世界へと足を踏み入れる。
金を肩代わりしてくれたのは、一つ上の大学の先輩であり、現役のキャバ嬢。
「返すなら、うちで働けばいいじゃん」
その一言で、巡は歌舞伎町のキャバクラで“内勤”として働き始める。
そこは、ルールよりも感情が支配する世界。
常に笑顔を求められ、裏切りが日常で、理不尽と暴言が飛び交うフロア。
だがその中で、巡は少しずつ夜の街の“流儀”を学び、
気づけば、昼の世界では得られなかった「信用」と「技術」を手にしていく。
これは、夜でしか生きられなかった青年が、
それでもどこかで“朝”を夢見ていた物語。
夢を語るには遅すぎて、
諦めるには少し早すぎた、
そんな“夜明け前”の、俺たちの話。
【夜が明ける日、ヴァージンロードで。過去編】