言葉ひとつ、空気ひとつに、心が揺れる。 大切な人の何気ないひと言が、忘れられない記憶になることがある。 気を使うことでしか愛せない誰かがいて、 うまく言葉にできない想いが、静かに生活の中に積もっていく。 変わっていく日々の中で、それでも変わらない「わたしなりのやさしさ」を探していく、 ささやかな気配と余白の物語。

笑って、いじって、いじられて。 それが“私の生き方”だった。 弱さなんて見せない。見せたくない。 でも、ふとした瞬間に気づいてしまった。 ——ねえ、私、強いフリしてただけじゃない？ ほら、ちょろいでしょ？笑

高校生の「私」は、バイト先での努力と成功体験を通して、承認欲求に素直に従う生き方の素晴らしさに気づいていく。 褒められたい、認められたい――そんな想いを原動力にして走り続ける中で、「承認欲求」を否定せず、肯定して生きることの意味を自分なりに見つけ出す物語。