「あなたを助けたい。無能と言われたこのスキルで」
名門貴族の令嬢カガリは、ある日突然「無能なスキル持ち」として家を追放された。
与えられたスキル《解除(スキルブレイク)》は、発動中のスキルを無効化する力。
しかし、実戦ではまったく役に立たなかった。
追放された先の辺境で、カガリはある魔導装具と出会う。
スキルの“構造”を可視化できる不思議な眼鏡――《スキル・シアー》。
それをきっかけに、カガリは《解除》スキルの真の意味と、自分の力の可能性を知る。
そして彼女は、次第に“歪んだスキル”に囚われた人々と出会っていく。
──心を閉ざした薔薇の騎士。
──誰よりも正しくあろうとする最強の剣士。
──知識を武器にする孤高の魔導師。
──微笑の裏に秘密を隠す従者の少年。
それぞれが“過去”や“スキルの呪い”に囚われながらも、
彼女の手によって、心もスキルも、少しずつ解かれていく。
これは、追放された元令嬢と、彼女に惹かれていく“訳あり男子たち”と歪んだ世界の再生の物語。