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連載 6エピソード
東京を逃げて、千葉の安食に辿り着いたのは、ただ腹が痛かったからだった。 我孫子で乗り換えた成田線の電車にはトイレがなく、目的地に着く前にどうしようもなくなって降りた駅は無人で、夕暮れの匂いがどこか冷たかった。 それからの数ヶ月。 人生が少しだけ不自然な方向に滑り出すとは、そのときの僕には知る由もなかった。
作品情報
現実世界[恋愛]
最終更新日:2025年06月22日
現代 群像劇 日常 読了時間:約15分(7,088文字)