作品一覧全3件
連載 2エピソード
都心の大学に通う三年生の**佐倉悠真(さくら ゆうま)**は、今日もまた、カフェの窓際でスマートフォンを眺めていた。画面に映るのは、ゼミの同期たちが投稿した煌びやかな「リア充」写真の数々。海外旅行、おしゃれなカフェ巡り、サークルでの打ち上げ……。どれもこれも、悠真のくすんだ日常とはかけ離れた、眩しい世界だった。 「いいね」をタップする指が、鉛のように重い。本当は、何一つ「いいね」なんて思っていない。むしろ、その眩しさが、悠真の胸の奥に薄暗い澱を溜めていくのを感じていた。まるで、自分だけが透明な檻の中に閉じ込められているかのように。    
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2025年06月24日
読了時間:約9分(4,131文字)
短編
深夜のバーで、主人公の「私」は、隣に座る疲れた様子の女性と出会う。女性は、壁の絵に描かれた閉鎖的な空間で泳ぐ魚たちを見て、「私たちみたいだ」とつぶやいた。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2025年06月24日
読了時間:約5分(2,106文字)
短編
退職してフリーランスのライター兼広報となった主人公の女性が、元同僚の森田くんから久しぶりに連絡を受け、ふらりと会う。 軽い会話と穏やかな時間のなかで、彼女は「恋でも友情でもない」けれど確かなつながりを感じる。 恋愛や人生の大きな変化ではないが、日常の細やかな心の機微を通じて、自分の生きるリズムを見つめ直す静かな物語。 登場人物 主人公(名前なし):20代後半の女性。元企業広報で現在はフリーランスのライター兼広報担当。自由な働き方を選びつつ、孤独や不安とも向き合う。 森田くん:20代中盤の男性。主人公の元同僚。飾らない人柄で、主人公とのさりげない交流を大切にしている。
作品情報
現実世界[恋愛]
最終更新日:2025年06月24日
読了時間:約4分(1,834文字)