――命の糸を断ち切る死神の少女、アヤメ。 永遠の命を背負い、不老の呪いを抱える主人公――朔夜。 朔夜は、人々に終焉をもたらす彼女の仕事を手伝うことになった。 だが、これはただの“仕事”ではない。 人の命を奪い、平気な顔で生き続ける。 たとえそれが世界のためであっても、果たして本当に正しいことなのか？ 死と永遠、終わりと始まりが交錯する世界の狭間で、 朔夜は苦悩する。 しかし、もう元の日常に戻ることは許されない―― 救いなど存在しない。 そんな世界で、 痛みを抱え、傷つきながらも、歩みを続ける物語。 (カクヨムにのみ同時投稿してます)

かつて老人は、少女エマと共に「全知全能で絶対的な”真の神”に成り代われる」と信じ、この世界の「永久不変の真理」に手を伸ばそうとした。 彼らはあまりにも聡明だった。だからこそ、途轍もなく愚かな禁忌を犯してしまった。 その代償はあまりにも大きかった。エマは死に、彼は長く孤独に生き続けた。 今、老人は少女アウラに向けて、失われたエマの真実を語りながら、自らの過去と深く向き合う。 「私たちは決して、無矛盾では存在しえなかった」のだと——。