気がつくと、私は乙女ゲームの中の“悪役令嬢”リリサンドラ・ヴァレンティーナに転生していた。
この世界では、ヒロインの恋路を邪魔する悪役として、最後には国外追放か処刑される運命が待っている──そう、私はその「破滅ルート」にまっしぐらな存在。
そんな運命、絶対に嫌!
前世の記憶とゲーム知識を活かして、王子との婚約破棄を避け、ヒロインとも仲良くして、平和で穏やかな令嬢ライフを目指すはずだったのに…。
なぜか攻略対象たちが次々と私に好意を向けてきて!?
ヒロインとはうまくいかないし!
「君のような強くて聡明な女性を、見逃すつもりはない」
「……俺だけを見ていてくれ」
いやいや、私は悪役令嬢であってヒロインじゃないはずでは!?
破滅フラグをへし折って、私だけの幸せを掴む──これはそんな、悪役令嬢の奮闘記。