太陽の国ルミソルナ。その端に位置する氷の国グレイスノルム。
冷たく笑わない氷の公爵ヴァルター・アイゼルナイト
ある日、1体の‘‘目のないドール‘‘エルヴィアを
胸に抱きながら神に強く言う。
「もう俺から誰も奪わないでくれ。エルヴィアだけは…俺のそばにいてくれ…」
あの日の願いがすべての始まりだった――
エルヴィアは、いつの間にか人間になっていたから、人間になる前の記憶はない。
ただひたすら愛されて、守られて。大切にされる。
そんな幸せがずっと続けばいいのに。
でもこの世界は甘くなかった。
静寂な平和を壊す‘‘計画‘‘が迫る時、
彼女の過去と、この国の秘密がゆっくりと紐解かれていく。