舞台は、剣と魔法が支配する戦乱の大陸《リーブラ》。
世界の均衡を守る《セラフィトラ神政国》と、力で諸国を屈服させる《イーラディア帝国》が、覇を争っていた――。
峠道で目を覚ましたのは、異形の角を持つ男・ロアス。
彼には、過去も、記憶も、名前さえもなかった。
出会ったのは、“神子”と呼ばれる優しい少女・フィン。
そして、過去を背負った剣士・レオス。金と自由を愛する女盗賊・アテネ。
彼らとの出会いが、ロアスを運命の渦へと巻き込んでいく。
記憶をたどる旅の果てに待つのは、救済か、それとも破滅か――。
世界を覆う神話の真実。自らの正体を知ったとき、
ロアスは、“命”という問いに立ち向かう。
これは、記憶をなくした最強の男と、
彼を信じた少女が紡ぐ物語。