外資系投資銀行で「成功」という仮面をつけて働く、新社会人2年目の紫倉凛羽。
燃え尽き症候群を抱える彼女の人生は、ある夜、一台のヴィンテージカーとの出会いをきっかけに、交わるはずのなかった軌道へと逸れていく。
だが、秘密を抱えているのは彼女だけではなかった。
まったく異なる世界に生きながら、社会の最前線を走る彼女たちは、それぞれ“もうひとつの顔”を持っていた。
秘密と傷を抱えた彼女らは、ラリーという“非日常”で出会い、交わり、少しずつ変わっていく。
そして、彼女たちを結びつける唯一の“秘密”が暴かれるとき、エンジンは確かな熱を帯び、加速していく。