主人公は生きる目的を見失いかけていた。奨学金の返済と唯一の肉親である母親の介護、些細なきっかけで始まった職場いじめ。疲弊しきった日常のなかで、彼は不思議な歌声を朝霧に包まれた公園で耳にする。
まるで誘われるかのように、ふらふらと公園のなかを歩きまわる主人公。
やがて霧が晴れるそのとき、彼は大草原のなかに佇んでいた。歌姫の姿に息を飲み込みながら。
「あなた、迷子なの? もしよければ、私の仕事を手伝ってもらえないかしら」
歌姫ーー少女の名前はカゴノトリ。彼女は今日も歌い続ける。
そして、主人公は…………。