昔、東西南北に大国があった。
各大国の中央には大自然と呼ばれる領域が存在し、長年大国同士を隔ててきた。
大自然には秘境や魔境といった地や、高くそびえ立つ山々、広く長い大河、樹海などが存在していた。
しかし文明の発展に従い、それぞれの国王たちは領土拡大や新たな資源を求めるようになる。
つまり、国境となっていた大自然を開拓し始めたのであった。
偶然にも四国が同時に開拓を始めたことにより、大自然の中央、各大国の中間地で大きな戦争が起きた。これが後に語られる世界大戦である。
そして大自然の中央には森の民という部族がいた。彼らは自然に生き、自然に死ぬ、慎ましい暮らしを送っていた。
ところが、彼らの平和な暮らしは唐突に終わりを告げる。
そう、大戦によって。
二年の時を経て、大戦は終わる。
各国は協定を結び、世界には平和が取り戻されたのであった。
大自然の消滅という、大きな爪痕を残して…