西暦二一一三年。『魔術』は空想から常識へ変わり、人類の生活の基盤として深く根付いていた。魔術結社『茫漠の探索者』に所属する天宮玖音は長の気まぐれにより、明璃市にある私立峰神魔導学園に通うことになる。過去に因縁のある街へ再び行くことになり、複雑な思いを胸中に抱える玖音。そして学園の入学式当日、過去へ繋がるとある少女との出会いを果たし――――　これは、やがて神に至る少年と、彼の道標となった月と影の物語。

　“尽骸”。それは人間に紛れる異形の存在。そして，異常な精神の発露によって人々を脅かす。 　対して、その尽骸を駆逐する者達を“機術師”と呼ぶ。尽骸を滅ぼす特殊兵器を駆り、日々戦い続けている。 　篠崎修斗は、そんな機術師の一人である。幼馴染みである島原美月や他の仲間達と共に、機術師の任務をこなしていた。 　修斗は心に決めていた。美月を守ることを。 　だが、ある出来事をきっかけに修斗の状況は一変する。そして，その中で出会う一人の女性。 　過酷の中、修斗が行う選択とは……

美心は他人の心を読むことができる高校生。彼女は自分の異能に振り回されていた。そんな時、一人の男子生徒と出会う。それは始まりではない、しかし確かなきっかけとなる。