僕「八代椎奈」は霊感なんてない人間だった。少なくとも小さい頃に人外の何かを目に入れたなどというおぞましい記憶は僕にはない。せいぜいテレビの特番でやっていたUFO特集を見て「馬鹿馬鹿しい。」などという冷めた感想を持つ程度の今時の、大人受け最悪な子供だった。目の前の現実は、全て空疎な嘘の塊からできているとわかっていたからかもしれないし、そうじゃないかもしれない。だからとりわけ、『そういうもの』に対する願望ってやつは大きいものだったのだろう。――その夏。僕が出会った出来事は実に『そういうもの』だった。
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