——これは、罪人の物語である。
我々は、物語を生み出す。そこには世界があり、自然があり、動物があり、人があり、つまるところ命の息吹がある。
そうしたものを意のままに生み出せる我々は、さながら神とでもいうべきか。
神は世界を創造し、そして意のままに滅ぼす。そこにあるスイッチを押す、本を燃やす、それでいとも容易く物語は消え、世界は滅ぶ。
だが、すべての神に問う。我々は命を造り出した。だが造り出した命を奪う権利が、果たして我々にあるのか。
そして安易に滅ぼした創造物の行先を、僅かにでも考えたことがあるだろうか?
人を殺せば、罰を受ける。
では問おう。世界を殺した神に、下される裁きは何か。
罪を贖うために必要なものは何か。
これは、二人の罪人の物語である。
だが忘れてはならない。罪人は、二人だけとは限らないのだ。
ファンタジー 異世界 転移 崩壊 救済 ダーク ごちゃ混ぜ
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