結婚前、仕事を1から教えてくれて、遺産相続で疲れていた時にも親身になって協力してくれた上司の家庭が一家離散した。上司の奥さんの不倫が原因だった。上司は混乱の末亡くなってしまい、1人の青年が残された。厚い恩を感じていた私は、時々彼を食事を誘うようになる。美味しそうに料理を食べてくれる気さくな彼。純粋な援助の気持ちから始まった関係だったが、それは平坦な日常を癒す温かいものだった。一方で家庭は冷え始めていた。単身赴任が多い旦那は、一緒に暮らしていた頃より楽しそうだった。風の噂では”そういうお店”に出入りしているらしい。不倫はしていないと信じたいが、確証を持てずにいる。次第に温度差から、ブルーでいることが増えるようになった。そんな中で、次第に彼への思いが募るようになる。――善くないことだけど、あの人も似たことをしてるんだから。いつまで続けられるんだろう。そんな不安を抱えながらも、目の前の温かさには抗えず……
年の差 日常 青春 ホームドラマ ダーク シリアス 現代 女主人公
読了時間:約3分(1,129文字)