言葉で言っても伝わらないことはある。
言葉で言えない想いがある。
伝えたくても届けられないこともある。
自分は分かっているのに、相手に伝えることができない。
それが極端に苦手な悪魔の『カイム』は生き方も言葉も不器用だった。
神の妹のディアを理由あって監禁するが、彼女には何かを隠していることがバレてしまい、
仕方なく足と翼を折って物理的に逃げることを不可能にしてしまう。
何も伝えられずただ生かされるディアはそれでも生きようと魔の存在に馴染んでいくが、
外は彼女にとって良くない方向に向かっていく一方だった。
それでもカイムは何も伝えられず、『彼』との約束を守り続けるが、
だんだんと自分の想いを押し殺すことができなくなっていく。
「臨機応変に生きなよ。カイム。」
不器用な悪魔は相変わらず不器用に変化を望み、動き出した。
異世界 天使 悪魔 監禁
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