昔々あるところに鬼の目を持った少女がおったとさ 侍の息子は鬼の目を持った少女に恋したとさ ある日鬼の目を狙ってやつらが襲ってきたとさ 侍の息子は鬼の目を持った少女を連れて北に逃げたとさ だけど一人の侍に行く手を阻まれたとさ 侍の息子はその侍を対峙するけど敵いっこない だから鬼の目を持った少女は自分で 目の無い少女になったとさ

　私は王族直属の騎士だ。エリートでも、特別強い訳でもない、ただの王と契約を結んだ騎士というだけ。それ以外は普通の人間だ。 　この物語は私の過去であり、現在のことを記している。姫と出会い、殺し、殺された私と姫は今もこうやって平穏な生活を送っている。 　なぜ、私は王族直属の騎士となったのか。 　なぜ、王族は姫１人なのか。 　なぜ、国は崩落したのか。 　なぜ、姫をいつも命を狙われるのか。 　なぜ、私と姫は出会ったのだろうか。 　 　それは、きっと確率の低い偶然なのだろう。 　とりあえず、言えることは―