作品一覧全4件
連載 完結済 34エピソード
 天体物理学者の僕、徳大寺涼のところに、悪魔メフィスト・フェレスが現れる。その用件は、未来予知のできる聖者、ラームチャンドラ殺害事件の捜査だった。ラームチャンドラは、前夜二時から四時の間に、撲殺されたのだ。第一発見者は、弟子の叡愼だった。  未来予知のできる聖者殺害犯として、悪魔一族が疑いをかけられる。そこで、真犯人を捜すことに協力してくれというのだった。  ラームチャンドラの呪縛で、この事件に関しては神でさえも偽証はできない。  涼は、聖者バイラヴァの下に赴き、その神通力で、太陽系の最果てまで飛ばされ、さらには太陽の中心まで連れて行かれる。  天上の喫茶店で、涼は、亡くなった妻朱鷺子そっくりの女性グレートヒェンと出会う。  次ぎに聖ジェズアルドのところに赴くが、体がどんどん縮小し、ミジンコの証言で、聖者が月に説法していたことが分かる。  涼の気持ちは、グレートヒェンとベビーシッターを頼んでいたエミリーの間で揺れ動く。エミリーも、強烈に涼に迫ってくる。  さらにチベット仏教の狂仏、パンチェン・フトクト師の元を訪れ、白亜紀までタイムスリップさせられる。アリバイは成立する。  その後、アル・ビスターミー師を訪れるが、一緒にいたホームレスが証言する。  最後に、龍門海上人を湯殿山に訪ねるが、殺害時刻には、修行のために死んでいたと言われ、アリバイは成立してしまう。  飼い猫のスピノザの首を持ってこい。パンチェン・フトクト師に言われたこの言葉に引っかかりを感じた涼は、書斎で考え込む。  さて、僕は、この不可能犯罪の謎を解くことができるのか。
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ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2013年12月04日
現代(モダン) 推理 ファンタジー 恋愛 ハッピーエンド 読了時間:約226分(112,548文字)
連載 完結済 10エピソード
「鼠が増えすぎるとね、寄居留が落ちてきて、その辺に溜まるから気をつけてね」  妻が言ったのである。  なんでも、寄居留というのは、鼻行類=ハナアルキのことであるらしい。逆立ちして、鼻で歩くという、珍奇な哺乳類である。  それが、天井を通って落ちてくると言う。  時は、大正四十九年のことである。  妻が出かけてから見ると、その奇居留がいた。なんとも愛くるしい姿で、私は陶然としてしまった。  ところが、帰宅した妻は、寄居留を見ると発狂したかのごとく怒り狂い、寄居留をホウキで追い払ってしまった。  三軒隣の薫さんが、寄居留を連れていた。それは、私の家から追い出された寄居留だった。  実は、私が旧制高校時代、私は高等女学校の生徒だった薫さんに秘かに想いを寄せていた。  こうして、寄居留を縁に、私と薫さんは駆け落ちをするのだが、その途中で寄居留のとんでもない秘密を知ることになる。
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異世界[恋愛]
最終更新日:2013年11月14日
パラレル SF ホラー ファンタジー 読了時間:約64分(31,946文字)
連載 完結済 7エピソード
 中世インド。いわゆる奴隷王朝と呼ばれる、アルバリー朝を、インドで最初にして最後の女性スルターン、ラズィーアが統治していた。  ラズィーアの親戚で十六歳の少女、ムムターズは、宮殿で見事な歌とヴィーナの演奏を披露した十八の少年、ナーラーヤナに心を奪われる。ナーラーヤナも、同様にムムターズに一目で恋に落ちてしまう。  しかし、ナーラーヤナは、師ニザームッディーンの下で神秘の道の修行に励む求道者でもあった。  ムムターズは、ナーラーヤナの父、ラクシュマナが、ムムターズの叔父アリーの仇であることを知らされる。  ムムターズとナーラーヤナの恋の行方は?  ナーラーヤナの神秘の道の修行はどうなるのか?  そして、スルターン、ラズィーヤを亡き者しようとする宮廷の陰謀が渦巻く。  干魃がインドの地を覆う。  ニザームッディーン、チャイタニヤ、そして日本から渡ってきた禅僧、道叡の三人の聖者は、干魃にどう立ち向かうのか?  ラズィーヤの命の行方は。  ちょっと読者を選ぶ、哲学ラノベ。
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ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2013年08月14日
冒険 ファンタジー 歴史 恋愛 中世 インド 哲学 読了時間:約282分(140,782文字)
連載 完結済 14エピソード
 僕の名は篠崎亘。県立至道館高校の三年生だ。  僕たちは、二年生のとき、至道館高校唯一のツッパリドラマー、渡辺亨を生徒会長にする、といういたずらをやった。  それが、どういうことか、亨は本当に生徒会長に当選してしまったのだ。  生徒会室のロッカーなどを、引き継いだ鍵で開けていると、一つだけ開かない机の引き出しがある。それを無理矢理開けてみると、会計関係の帳簿がどっさり入っていた。  一冊変なノートがあった。銀、という人物らしいものに、チョコレートやなんかを五十円だの、百円だので売ったと読めるノートだ。  そこへ、生徒会顧問のナメクジこと高橋伸二先生がやってきて、慌てたようにそのノートをひったくった。  次の日、高橋伸二先生が、不自然な状態で屋上から飛び降り、死んでしまった。  ショックなことに、高橋伸二先生は三人の外国人女性を囲ってハーレムを作っていたことが判明した。  おまけに、亨が謎の自動車に襲われ、ドラマーとして命より大事な腕を折られてしまう。  そのとき、亨が所属するバンド、ルシファーは、プロデビューの階段となる大事なレコーディングを控えていた。他のバンドのメンバーに対しても責任を感じた亨は、銀、の正体、そしてその背後にある闇に迫っていく。  さあ、僕たちの運命は。
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アクション[文芸]
最終更新日:2013年06月14日
ミステリ 現代(モダン) 高校生 読了時間:約133分(66,460文字)