高校へ入学して間も無い、高一の夏。幼馴染の宵、その親友の水無。そして俺の親友にして最大の悪友である光貴。この馴れ親しんだと言えば聞こえの良い、腐れ縁とも言うべき面々で外泊をしたのがそもそもの悪夢の発端だった。
「あんた……、なんでそんな事になってんのよ。ギャグのつもりだとしたら……」
「ギャグでこんな事する訳ないだろ⁉ こ、これは……起きて気付いたらこうなってたんだよ」
「へえ? 初耳だわ。人間は起きて気付いたらーー」
ーー性別が変わるのね?
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目を覚ますと女体化していた……なんて話、この世界の中で誰が信じるだろうか? 少なくとも、俺は信じない。
いや……。
その女体化したって本人が俺なのだが。