突然、知らない熱帯雨林にいた優璃。
必死になって汗だくで樹海を抜けた先で待ち受けていたのは、砂埃の舞う荒野と海、そして小さな人々が織り成す残酷で美しい世界だった。
無表情の天使のように美しい小人。
いつもお調子者で楽観的な小人。
頑固で真面目な正直者の小人。
つい意地を張って素直に慣れない恋する小人。
ひたすら平和と日常を守りたい優しい小人。
そして、優璃は知ってゆく。
この世界の事を。
自分の事を。
傍らに並ぶ小さな人々の、ささやかだけど切実な願い。
優璃は自分の世界に帰るために、小さな人々の願いのために旅に出る。
ただ一つ、歌うという自分にできることを信じて歌い続ける。
果たして優璃は自分の世界に帰ることができるのだろうか?