異世界オロガリム。
その世界の五大大陸の一つ、ユーム大陸に存在する魔王の城。
そこには一国の姫が幽閉されていた。
幽閉と言っても生活自体は悠悠自適。誰にも縛られることなく、姫はしばらくの間、魔王と四天王と、そして魔王の軍勢たちと共に暮らしていた。
その平穏は、ずっと続くものではないことは知っていた。
ただ姫はその平穏を無意識下で願っていた。
一時的な自由は、姫が経験したことのない解放的なものだったのだから。
しかし、姫の願いは届かない。
ある日を境に、その平穏は崩れ去る。日常も陽だまりのような生活も優しい魔王も何もかもが、姫の前から消え去った。
そして、そんな絶望に悲嘆する暇さえなく、姫の眼前に広がったのは。
そのセカイは、姫が知らないセカイだった。
そこは姫が暮らしてきたセカイとは異なるセカイ。
理術(りじゅつ)と呼ばれる特別な技術が存在するセカイだった。
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遅れることもありますが、読んでいただいている方、今後ともよろしくお願いします。