齢十六にして、その才を認められた若き白髪の魔術師が私の主であった。
主は『あれ』と呼ばれる美しくも酷く鋭利で冷徹な死魚のような眼の少年を傍らに置いている。主は大層それを愛でていたが、愛玩のように見えないのは“あの眼”のせいであった。あれはけして、主を見ようとはしない。いつも主の腕に抱かれながら死魚のような光のない目をして周囲を睨みつけているのである。
全4部予定、中編小説。(自サイトの転載になります)
※メインではありませんが、ボーイズラブ的要素が含まれますので苦手な方はご注意ください。
ファンタジー 魔法 少年 ヤングアダルト 中編小説 シリアス 西洋
読了時間:約28分(13,724文字)