カナエは、家から学校まで充分自転車で通えるのだが、駅まで歩き15分に1本の不便なバスで登校をしていた。
夏休みも終わり、新学期がはじまったばかりのある日、家を出る時間が5分ほど遅れてしまう。なんとかバスに乗り遅れまいと駅までの道のりを早足で急いだ。
すると、後ろからボサボサ頭の男子に追い抜かれてしまう。なぜか釈然としないカナエは、歩く速度を上げ追い抜き返すと、ボサボサ頭も躍起になってカナエを抜き返す。駅までのデットヒートが続くが、最後はカナエが駅に先に到着する。
翌朝、交差点にやってくると、例のボサボサ頭が、カナエがやってくるのを待ちながら柔軟体操をしていた……
交差点から駅までのコースは、途中の信号、上り坂、商店街での人ごみ、細い抜け道、ラスト駅までの50mと変化に富んでおり、体力バランスも考えた戦略も必要になる。さらには、自らウォーキングフォームの改善、天気毎のシューズの準備とこの4ヶ月間は、朝のデットヒートに拍車がかかっていた。
そして今日、12月20日の朝、年末最後の登校日、大学生のノッポにサラリーマンのタンクも加わり4人で年末最後の登校日のデットヒートが始まった……
※重複投稿:ライトノベル作法研究所 ライトノベル投稿・鍛錬投稿室
青春 レース デットヒート 高校生 テニス 捻挫
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