「おい、そこの人間」。俺が耳をうたがったのは大学三年の雪が降る12月24日のバイトの帰り道、声の主はゴミ袋の山に挟まった「天使」だった。なんでも、そいつが言うには俺は多次元世界での勇者の前世なんだとか。さらに「悪魔」もやってきて、今度は魔王になる魂だの言ってきた。気がつけば、天使と悪魔が必殺技ぽいこと言って戦闘を始めるわ、家は壊されるわで大波乱。ひとまず話を聞いてみると、どうやら来世で勇者魔王になるための条件があるらしい。その条件とは……。
――とりあえず、勇者か魔王どっちかに絞ってくんない…?