【不可避な現実<フラグ>】
それは世界の根源。
世界の基盤。
この世の物理法則よりも高位に存在する回避不可能な概念。
それは魔術が一般社会に浸透し、学問の一つとなったこの世界においても同じだった。
パンを加えて走れば曲がり角でゴッツンコし、気配を感じそちらを向いても誰も居なく安心して振り返ると目の前に現れ、異性からのお誘いを受ければそのままゴールイン。
所詮は二次元、創作の中の産物と笑う者もいるだろう。
が、そうでないのも存在する。
それが恐らく次元に関係せず、どの世界にも確立している【最強のフラグ】
兵士は言った。「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」
リーダーは言った。「俺が戻って来るまでここを離れるんじゃないぞ!」
味方は言った。「や……やったか!?」
仲間は言った。「ここは俺に任せて先に行け!」
それこそが最強にして無敵の、絶対のフラグ【死亡フラグ】
時にソレは人間のみならず神にまで及ぶ事もある。
『ラグナロク』
という名の北欧の神々を一掃した最大級の死亡フラグ。
そしてそんなフラグを断ち切ろうと世界を巻き込む魔術師がここに。
『ーーーーなぁ、お前
死亡フラグって知ってるか?ーー』