タイトルは、暖(ほのか)と読みます。 感情を抽出し、その感情を別の人へと受け渡してくれる店『献情屋』。そこのオーナーは、表情が乏しくも綺麗な女の子だった。今日も感情について悩むお客様が彼女の元を訪れます。 たとえ不器用でも、大切な感情を大切のままにしておくために前へ進み続ける物語。 あなたには、献情したい人がいますか？

三年前の夏の深夜に書いた詩。 大事なことをどんどん忘れていく中、このまま眠らせたままにするのは躊躇われたので、三年越しに開いて改稿しました。

その町には、初雪の神様がいるらしい。

「わたし、辞めるから」 初ライヴまで三日を切った頃、突然そう告げてきたのはうちのバンドのリーダーだった。 各々の想いは行き場もなく宙に漂うばかりで、いつまで経っても前へ進もうとはしなかった。 そんな、不器用としか言いようのない物語。

すべての想いが燈火となるよう。

前に進んでいく周りと、 ずっと冬に取り残される自分と、 その代弁。

2年の想いをぽつぽつ

過去に吹いた風 現在に吹く風 未来に吹かない風

自然と夕日と駅と列車と少女と──

下駄が繋いだ、二人の道。