古今高校落語研究部。通称「落研」と呼ばれている。
簡潔に説明すると、毎週火曜日の放課後、寂れた部室に集まって落語の研究に勤しむことを活動内容としている部活だ。
とはいっても、実際はそこまで熱心に研究をしていない。むしろ、部員それぞれが自分の家で過ごすように自由気ままに過ごしていることが多い。喩えるならば「年中無休の、海のない海の家」のような場所であり、部長の破天荒な思い付きに振り回されることはしばしばあるものの、落研は今日も青春の荒波に揉まれて疲れ切った部員の心も身体も癒していくのだった。
高校生にしては純粋無垢かつ破天荒な落研部長の黄蘗晴人(きはだはると)によって、落研に連れ込まれたのは、いじめを受けた過去を持つ一人の少女。彼女の名は、逢坂杏(おうさかあんず)。過去に縛られて塞ぎ込んでいた杏であるが、部長を筆頭とした落研の部員や昔から溺愛されている年子の姉、そして友達の優しさや温かさに触れるうちに、徐々に心を開いていき、やがて落研の部員として部長とともに前に立つことになる。
様々な困難を乗り越え、今まで経験したことのなかったことを経験していくうちに、臆病だった杏の中の何かが変わっていき……。
スクールラブ 日常 青春 ほのぼの シリアス 女主人公 学園 現代 姉妹 恋愛
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