高校の入学式、私はひとりの見知らぬ男子と出会った。そして唐突に生じる見知らぬ光景。それは有り体に言うなら前世というやつで、見知らぬ男子は前世でよく知っていたはずの相手だった。それがどんな関係だったのかすらわからないけれど、私と彼は前世という共有できる過去があるということは確かだった。この日の彼との出会いが予め定められたことだったのなら、誰が何のためにそう定めたんだろう? まぁ大した理由なんてないだろうけど。だって私と奴とのことだし。甘さも苦さも特にない、ただなるようになった程度のことでしかないだろう。