十二歳になったばかりの由美は来年には中学生。クラブ活動や勉強そして素敵な恋を夢見る活発な女の子。そこに幼い時に東京に引っ越していった親せき筋の弘おじさんが社会人になって病気療養のために夏の間、由美の家に戻ってくることになった。由美の記憶にかすかに残っていた素敵なお兄さんの面影がよみがえる。どぎまぎする由美のまえにすっかり大人になったその人がにこやかに現れた。「やぁー、すっかり大きくなったねぇー。お久しぶりー、僕のこと覚えてる」そう言ってやさしく由美の顔を覗き込んでくる。由美はただただかたくなって下を向くばかりだった。
誰しもが一度だけ経験し、甘酸っぱくそしてほろ苦く思い出すあの初恋の物語です。
年の差 古典恋愛 青春 来年は中学生 大人へのあこがれ 恋のライバル 遠雷 夕立ち 浴衣 夏祭り
読了時間:約23分(11,420文字)