「私はもう、生きる意味が分からない」
そう言って不登校になった土井のことをあまり気にしなかった“ぼく”に、クールなクラスメイト、今神が話しかける。
「人間は想像力が大切なんだ。土井の苦しみを想像してみろよ」
それから“ぼく”は、土井だけでなく、入院患者や戦火から逃げる少女、物乞いの少年などの苦しみを想像するようになり、日に日に壊れていく。
「どうしてこんなに悲しい不幸がたくさんあるんだ。こんな残酷な世界で、ぼくはどうすればいいんだろう」
“ぼく”の悩みと成長、想像力と勇気の物語。
日常 青春
読了時間:約320分(159,827文字)