ヒーローになりたかった青年の物語。
青年はヒーローになりたかったのだ。悪しきを挫き、全てを護れる。泥だらけでも傷だらけでもそれでも大事なものを護り抜ける、そんなヒーローになりたかったのだ。
強い願いは、想いは、夢はやがて、在り方を変えていく。『なる』は『ならなければならない』へ。夢は、想いは願いは希望は呪いへと移り変わる。
呪いはやがて、現実と理想との違いを映し出し、精神を蝕む。こんなはずではなかった、と後悔を嘆いても最早全ては手遅れ。
さぁ、物語の幕をあげよう。これから始まるのは狂気の物語。護りたいと願った男の成れの果て。