僕には大切な幼馴染み兼ご主人様がいる。彼女、夕月は僕にとって僕自身より大切な人だ。夕月の傍に居て彼女を支え、助け、幸せにすることが僕の使命であり生きる意味だと言っても過言ではない。他の人とは少し変わっている夕月はそんな僕のことをただの世話係だとしか思っていないけど、それでいい。僕が一方的に夕月を愛しているだけなんだから。そんなちょっとだけ歪んでいる僕たちは平穏な日常がいつまでも続くことを願っていたのだけど、どうもそうはいかないらしい。生徒会役員たちを骨抜きにした女子が僕ら、というか僕に関わるようになったのだ。夕月は彼女のことを「ヒロイン」だとか何だとか言っているけど、どういう意味かはよく分からない。分からないけど、とりあえず夕月の傍に居られるといいなぁと僕は願った。